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第一部 従業員の健康管理を経営的視点から考えるの巻

ここ数年、テニテオの労働環境は深夜の仕事がNGになったり、勤務時間内の喫煙がNGになったり、めまぐるしい変化がありました。その環境の変化は、「いったいこの会社で何が起きているんだ⁉︎」と戸惑ってしまうぐらいの早さで、きっと2年前の私が今の労働環境を見たら、まったく別の会社にいると勘違いしてしまうほど劇的に変わっています。
そしてその労働環境の改革が「健康経営」のためであることを最近知りました(改革が始まる当初に聞かされていましたが、すっかり忘れていました)。
で、私が「健康経営」という言葉を聞いて、疑問に思ったこと。それは、「健康経営っていったいなんなのだ?」でした。

健康経営のプロフェッショナルを逆インタビュー
無知な私と健康経営のプロ

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健康経営に無知な私が働いている「株式会社テニテオ」は2017年と2018年に健康経営優良法人に認定されました。そして先日3月29日に、テニテオの健康経営の取り組みを取材したいと、株式会社セルメスタ代表の熊倉さんがインタビューに来てくださいました。株式会社セルメスタは「健康経営の広場」というサイトを運営しており、健康経営を広める活動を行っています。言うなれば、熊倉さんは「健康経営」のプロフェッショナルと言っても過言ではありません。そこで「健康経営」について深く知るべく、インタビューに来てくださった熊倉さんを、逆インタビューすることにしました。

いよいよインタビュー

まずは熊倉さんによるテニテオ健康経営推進チームへのインタビューがスタートしました。このインタビューの様子は株式会社セルメスタが運営するサイト「健康経営の広場」で公開予定ですので、是非弊社推進チームのインタビューを見てください。
そして約2時間にも及ぶインタビューが終わり、私の出番がやってきました。
いよいよインタビュー開始です!

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健康経営のプロ熊倉さんに聞いてみた!

健康経営という言葉は知っていても、知識はまったくない私が健康経営のプロフェッショナル熊倉さんに、遠慮なくいろいろ聞いてみました。

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──そもそも健康経営ってなんですか?
健康経営の定義ですが、健康経営とは、1980年代にアメリカの経営心理学者であるロバート・ローゼンが提唱した、「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」という考え方に端を発するものです。私流にかみ砕いて健康経営とは何かというところですが、従業員の病気などの不健康な状態やそれによる離脱を無視したり、事故と捉える経営スタンスではなく、その状態を見過ごさず、リスクと捉える経営スタンスです。さらに、従業員が未病であるだけでなく、元気な状態になる環境を経営側が提供することで、従業員の生産性を上げることも可能という考え方だと考えます。

──最近、健康経営という言葉をよく耳にするようになったのはなぜですか?
「ホワイト企業」という言葉の前に「ブラック企業」という言葉が世の中に広まりました。この言葉が広まったことで、労働環境に対する関心が世間で高まったと思います。しばらくして、政府が健康経営に優れた上場企業を1業種につき1社「健康経営銘柄」として選定する取り組みをはじめました。「健康経営銘柄」に選ばれた企業は、従業員の健康管理を経営的な視点で考えている企業ということになります。当初は各業種のNo1.のみが発表され、注目を浴びていましたが、2番でもいいじゃないかということで裾の尾を広げました。「健康経営銘柄」の他に、大企業向けの「ホワイト500」、中小企業向けの「健康経営優良法人」があります。「健康経営」という言葉をよく耳にするようになった背景には、労働環境に関する世間の関心の高さと、経産省が仕掛けた取り組みが大きく影響していると思います。

──健康経営優良法人に認定されるとどんな効果がありますか?
目に見える効果としては、社外の反応が変わります。採用がやりやすくなったとか、名刺にロゴを入れることができるので、既存の取引先のイメージが変わったなど、色々な効果があります。
社内の変化は、取り組み方次第です。企業の中には、中身の変化がない会社もあります。また、働き方改革を行いたいけれどつまずいて上手く改革できていない会社もたくさんあります。テニテオさんの場合は社員を巻き込みながら改革されたので社内でも良い変化が起きて、その変化を実際に感じられていると思います。

──大企業が取り組む健康経営の現状は?
大企業はそもそも福利厚生がしっかりしています。ですので、ホワイト500を取得しようと思えば大概取れます。しかし、大企業で問題になりやすいのは、経営戦略までリンクできていないということです。これは、誰が推進しているのかというお話で、多くの場合はトップからの指示で取得へ向けて活動が始まります。よくあるケースは、総務人事の方々が健康経営を推進していて、健康経営が“トップに言われてやらなければいけない業務”として捉えている場合。この場合、担当者の想いと経営者の想いがリンクしないことがあります。また、大企業になるほど経営課題の優先順位は、売り上げ、利益、配当、になり「社員の健康」の優先順位が高くなりにくいです。優先順位の意識改革や、経営戦略の課題が大企業の取り組みの難しさだと思います。

──中小企業が取り組む健康経営の現状は?
中小企業の取り組み方は大企業と真逆で、経営戦略とリンクしている場合が多いです。テニテオさんを例に出すならば、今までやられてきた紙媒体主体の経営から、紙媒体+WEB媒体+リアルのイベント開催など幅広く展開していく戦略があり、従来の働き方を変えたほうが業務が円滑になるという経営的な戦略と、その戦略に合った働き方改革を掲げられました。紙媒体主体のままの経営ならば、深夜遅くまで残業していても大きな支障をきたさなかったかもしれませんが、リアルイベントの開催にも注力していくのであれば、深夜まで働くことでイベントへ支障をきたします。このようにテニテオさんは経営戦略と働き方改革がバチッとリンクしています。トップの健康経営への想いがあって、その想いに沿って担当者が健康経営を推進しているという印象を受けました。他にも中小企業の健康経営の特徴として、大企業ほど贅沢なお金はかけられないのでアイデアで働き方を変えたり、多少の反発があろうとも改革していく力強さがあります。禁煙など社員の理解を得られにくい項目を上手く改革できているのは大企業よりも圧倒的に中小企業の方が優れている印象があります。

──健康経営を通してどんな未来になって欲しいですか?
健康経営がブームで終わって欲しくないと思います。「健康経営」という言葉は変わってもいいけれど、やっている取り組みは上手く根付いて欲しいです。「人生100年時代」と言われているようにまだまだ個人の寿命が延び、長く働かざるをえない時代になっています。そういう時代で、不健康であることはリスクしかありません。そういうリスクを排除するには自ずと健康経営に取り組まなければなりません。それを個人で取り組むのか、企業が社員を巻き込んで取り組むのか、の話です。
ベンチャーや営業系の会社は猛烈に働くことが普通となっています。猛烈に働く事と健康経営を対立させている企業もたくさんあります。私は猛烈に働くのが悪いと言っているわけではなく、上手く棲み分けをして健康と仕事の共存を目指して欲しいと伝えたいです。もちろん、社員を早く帰らせることだけでは企業として成長していかない部分があります。健康経営はあくまでも企業として成長するための戦略であることを忘れてはいけません。つまり、社員の健康と会社の成長、それらを踏まえた経営戦略が「健康経営」で、私はそれらが上手く共存できる未来になって欲しいと思っていますし、そのソリューションを「健康経営の広場」で提供していきたいと思っています。

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インタビューを終えて

熊倉さんへのインタビューを終えて、健康経営とは「社員が健康で働くことで、生産性もあげてしまおう」という、みんながハッピーになるための経営戦略だと知りました。
たしかに、深夜まで働いていた時に比べ、翌朝の仕事の集中具合が良くなったり、残業できる時間が20時までと決まってからダラダラ仕事をする悪習慣がなくなりました。自分の意志の強さだけでは変えられなかった仕事への姿勢が、会社のルールで強制的に改善されました。

人生100年時代を健康で生き抜くためには健康に気をつかい、元気に長く働かなければいけません。そのためにも健康経営に取り組む企業がもっと増えて欲しいなと感じました。

株式会社セルメスタ
全国に約1400件ある健保組合の4分の1にあたる約350件もの組合員の健康サポートをおこなう。常備薬などの医療品や健康用具、健康情報などを提供するだけでなく、健康経営のソリューションを提供するサイト「健康経営の広場」を運営している。

TEXT by

入江剣大